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みん経トピックス

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エリア特集2016-11-14

【連載】インドを視る vol.10
400 万人以上学ぶ世界最大の通信制大学 ITの活用でさらに拡大

 世界一大きい大学がインドにあります。Indira Gandhi National Open Universityは400万人以上が学ぶ通信制大学。1989年にスタートし、初めての卒業生は1171人。その後、生徒が爆発的に増え、現在は年間約20万人が卒業します。21校、67の地域センター、2667の拠点、15カ国に29の拠点があります。

 試験は紙で行われています。インド国内に何千という箇所の試験会場を設け、配布して回収しています。今後はITを利用したオンライン入試の導入を検討していて、さらに規模を拡大する傾向です。最近話題のオンライン教育システム「edX」は現在、80万人の受講生がいます。大学で学ぶ理論重視の内容ではなく、就職に直結できる授業が無料で提供されています。自分のペースで学ぶことができ、受講終了後に少額の費用を支払うと受講証明書が発行されます。その証明書をLinkedInなどにアップロードして、就職への実用的なスキルとしてアピールするそうです。

 前々号では、学校運営の費用について少しお話ししました。大学もさることながら、大学に入るための塾も一大産業になっています。塾産業に投じる金額が2,000億円というリポートがありますが、インド政府がトップ大学「Indian Institute of TechnologyIIT)」に投じている金額は500億円で、塾産業の4分の1にも満たないそうです。

 その中で、今後インドは大学の卒業資格を取得するというより、チームワークやリーダーシップなどのコミュニケーションスキルの能力開発に力を入れ、技術力と合わせて即戦力になる人材を育てるべきだといわれています。IT技術を活用することになれば、例えば教師の数を減らすことができます。1箇所で行った講義はインターネットを通じて多くの生徒が受講することができます。大学というハードを作るのではなく、ITを通じてスキルある人材を育てる。今後インドは中国の人口を抜くことが予想されていますが、ITの導入によって現在の教育システムは大きく変わっていくでしょう。(小里博栄)

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