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みん経トピックス

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エリア特集2016-10-20

【連載】インドを視る vol.8
競争率1250倍 貧困層に限定したエリート校が誕生

 インドの富裕層はインター校、イギリスやスイスのボーディングスクール、またはシンガポールのインター校などに子どもを送り込むケースが多いのが実情です。150万校あるといわれるインドの学校ですが、トップエリート校は少数。高額な学費に加え、コネがないと入学は難しいところもあります。ムンバイのとあるインター校では、財閥の御曹司がクラスメートに「週末はおやじのジェットでモルディブに行こうよ」と誘っているとか。

一方、数億人いる貧困層の子どもは学校に通うことも難しいのが現実です。その中で、最近話題になっているのが、富裕層への真逆的挑戦ともいえる、革新的な発想で誕生した学校「VidyaGyan Leadership Academy」です。世界一入学が困難ともいわれ、25万通の応募に対して、入学できるのはたったの200人。入学資格は、世帯年収が約2,500シンガポールドル以下であること。全寮制で学費は全額無料です。教育の質は他のエリート校と同等レベルです。

 創業者はIT大手のHCL社長のRoshni Nadar Malhotraさん。Malhotraさんのビジョンは「BOP(ボトム・オブ・ザ・ピラミッド)の一番上」の最も優秀な学生を集め、教育することです。25万通の応募から約半分の125000人が筆記試験を受けられます。洪水などの自然災害で道路が封鎖になったりして試験会場にたどり着けない学生も多いので、実際はもっと少ないようです。その中で200人が選考に残り、カースト制度も関係なく、世界レベルのエリート教育が受けられます。この学校に入るための塾もでき、富裕層も隠れて応募しているそうですが、もちろん落とされています。

 この学校運営に、すでに1億シンガポールドルを投入しているそうです。これだけ巨額な資金があるのなら、他の大勢の子ども達を学校に行かせてやれるのでは、と反対意見もあると聞きます。しかし、この選ばれし200人がインドのリーダーとなって、さらなる素晴らしい取り組みを発揮し、世界にインパクトを与えてくれる「金の卵」であるなら、ぜひともその成長を楽しみにしたいと思います。

(小里博栄)

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